“魔除け”をモチーフにしたレザーグッズとアートピースの展覧会が開催 #2 <日本皮革デザイン促進委員会>

こんにちは、編集長の川崎です。さて、「魔除け」をモチーフにした展覧会のその2です。その1はこちら

コーヌコピアや背縫い刺繍など

日本の皮革技術を駆使したレザーのアートブランド「創悦」。今回は展示されたアイテムを詳しく見てみたいと思います。

革小物のアイテムでは、円錐形の「コーヌコピア」が紹介されていました。この円錐形は、“幸せの魔法の角”という意味合いがあり、古代ギリシア・ローマ世界において、食べ物と豊かさの象徴としても用いられたそうです。

また、御朱印ケース、お守りケース、ウォレット、クラッチバッグなど、魔除けにまつわるモチーフがついた革小物もラインナップされました。

またレザーアイテムだけでなく、「背守り刺繍」という魔除けの刺繍を施したシャツも紹介されました。
着物の仕立て時には背骨に沿って「背縫い」という縫い目ができます。江戸時代、「目」には魔除けの力があると信じられており、背縫いの「縫い目」にも背後から忍び寄る魔を防ぐ力があると考えていたそうです。

環境を意識し経年変化も楽しめる素材

使われる素材には、植物タンニン鞣しの牛革や、鳥獣被害対策の鹿革が主に使われてました。環境を意識し、また経年変化も楽しめるという観点からこれらの革が採用されているとのことです。

日本皮革デザイン促進委員会の岡田育美さんのお話しを伺いました。

「この度わたしたちは、歴史的なパンデミックを経験し、自分たちの力では太刀打ちできないものがあることを思い出しました。
古来より、疫病や災いを鎮めるために行われてきた魔除けは、天を畏れ、自然を敬う、信仰の気持ちがベースとなっています。
その気持ちを忘れることなく持ち続け、自然と共生していきたい。そんな思いから創悦は、今回『魔除け』をテーマにコレクションを製作しました。ぜひ多くの方にご覧いただければと思います」

蔵の1階には、鮮やかな朱赤のレザー甲冑をまとった、神使いのシャーマン(祈祷師)が鎮座していました。ほぼ等身大で作られ今にも動き出しそうです。古来の魔除けとは、自然への畏怖の念があったということをしばし思い出させてくれました。圧巻のプレゼンテーションでした。

次回の創悦の展覧会も楽しみにしたいと思います。

創悦・#MAYOKE展 ~JAPAN LEATHRE×魔除け~