両国の高架下にオープンしたジェンダーレスなショップ「MAISON PARADIDDLE(メゾン パラディドル)」

隠れ家的なエリアにショップをオープン

こんにちは、編集長の川崎です。

JR高架下という一風変わった場所に、ジェンダーレスで大人ストリート感あふれるブランド「カツユキコダマ パラディドル」のショップ兼アトリエが、昨年春にオープンしました。場所は大江戸線の「両国駅」からほど近い場所で、一見するとどこかカフェのような雰囲気も醸し出しています。


約24坪のフロアを、ショップと工房と半分ずつで分けて運営されています。

奥が工房に

原宿や千駄ヶ谷などとは異なり、地元に密着した下町の路面店という立地もユニークです。デザイナーの児玉さん(左)、プレスの久松さん(右)にお話を伺いました。

「私たちがブランドを立上げてから約7年、株式会社クーの傘下に入って4年目となります。海外のトラノイ展示会からデビューして、私たちの世界観に共感してくれる根強いファンもついてきました。
ずっと模索していたのは、ユーザーとかけ離れた場所ではなく、お客さんとコミュニケーションしながら販売とものづくりもできるような空間でした。たまたまコロナ下で出会った、元居酒屋の物件にピンときました。
高架下ですが、角物件なので二方に窓があって明るい空間です。自分たち自身で内装を手掛け、店頭ではデザイナーが好きなグリーンも販売し、理想的なスペースになったと自負しています。」と久松さんは話す。

世界観をトータルで伝える空間づくり

手前の12坪の店舗では、カツユキコダマの定番である「PACK6」などの丸みのあるバックパックが揃い、先の展示会でも評判を呼んだクリア素材のボンサックもアイキャッチになっています。メンズでは珍しい、クロコやパイソンといったエキゾチックレザー使いの製品も、このブランドらしさの一つと言えるのでは。

加えて、クルクルと折りたたんで収納できるエコバッグや、ジェンダーレスで機能的なエプロンなど、クールでモードなイメージだけでなく、近年のライフスタイルに寄り添うアイテムも増えています。

デビュー当時から、ものづくりは一貫して国内生産にこだわってきた「カツユキコダマ パラディドル」。最近では職人の高齢化に加え、パーツや工程の多いデザインであること等から、外注ではなく社内で製造できるよう隣接したアトリエで、職人たちとものづくりを行っています。

「コロナ下では、ECサイトを見てダイレクトにご購入いただくケースが増えましたが、単品ではなく私たちの世界観をトータルで知って頂きたい。そのためにも、ラインナップを伝える空間が必要でした。バッグや革小物だけでなく、スニーカーや電動バイクなどもディスプレイして、純粋に楽しいと思って頂けることを意識しています。」

ここにオープンしてから、地元の方が散歩の途中にふらりと寄ってみたり、初めての方がかばんに一目惚れしてご購入されるなど、新しい出会いが生まれているとのこと。

「直営旗艦店と工場の融合」がひとつのゴールだったこともあり、今後は自分たちのアイデアでよりワクワクする場づくりを目指していきたい、と児玉さん。

店頭のグリーンの販売も児玉さんがやりたかったことのひとつ。「パラディドル」らしいライフスタイルアイテムの提案が、今後も楽しみです。

HPの児玉さんのブログも、がっつり読みごたえありますのでオススメです。

メゾン パラディドル 墨田区亀沢1-1-9

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初出:フットウエアプレス10月号