【編集長レポート】尾道発のバッグ専門店「Danjo」が小田急百貨店新宿店にオープン!vol.2

こんにちは。編集長の川崎です。

尾道発のバッグセレクトショップ「Danjo」のレポート、vol.2になります。→vol.1はこちら

手探りで導入していった新たなファッションブランド

小田急百貨店新宿店のセレクトショップDanjoは、国内外のブランドをラインナップし、好調に推移しているとのこと。なんとも頼もしい限りです。

檀上社長は、祖父が尾道ではじめた会社を継いで三代目。今年で113年目という歴史ある企業でもあります。

商いの最初は荒物店、そしてかばん専門店を経て、現在のセレクトショップ業態に至っており、業界でもいち早く2000年初頭からオンライン販売に乗り出したことでも知られています。

Danjo オンラインショップページ

またバッグのMDに対する考え方は、檀上代表の独自の哲学があります。店舗イメージはエレガンス系&モード系などを主軸に、他にない個性派ブランドミックスが特徴的。いわゆるバッグ専門店向けブランドはほとんどなく、アパレルショップ型に近いかもしれません。

檀上代表はこうも話します。

「私がこの業界に入ったのは20代前半ですが、90年代から00年代にかけて、バッグ専門店のMDは国内のメンズブランドと、カジュアルなレディスをミックスしたユニセックス系がメインでした。けれども当時のファッション誌をめくると、そこに掲載されているバッグブランドは、自分たちの売場に並んでいるものは全くありません。この事実を認識するのは時間がかかりましたね…。

『これからファッションを提案するためには、このMDが必要不可欠だ』と考え、ブランドを手探りで探し始めました。都内のショールームに何度も足を運んだり、単身ヨーロッパ出張を繰り返しました。もちろん上手くいくことばかりではありません。この時の模索し続けた経験が、今のハングリー精神にもつながっていると思います。」

と当時を振り返ります。

売り場中央には大きな革小物の什器が

オンライン販売の信頼度アップにも

様々な試行錯誤を繰り返して、ようやく店に少しづつ新しいブランドが並び始めた頃。より広い客層へと新規ブランドを認知してもらうため、まだ黎明期だった2001年にネット販売をスタート

大手企業ですらホームページが無かった時代、バッグのオンライン販売などは全くと言っていいほど競合もなく、仕入れた在庫も次々となくなっていったとか。

ここから10年計画で徐々にショップのMDを変え、現在のスタイルへと成長させてきたとのこと。

柱巻きにはロベルタピエリを

「私たちはあくまでも“ファッションとしてのバッグ”という位置づけをぶらさず、ただお客様がバッグの機能やサイズに関して選びやすいこと、使用シーンをイメージしてもらえることを大切にしてきました。

今回の東京出店に関しては、尾道本店のお客様も大変喜んでいただけていますし、オンライン販売においても信頼度が増すということもあり、広告宣伝効果が大きいと考えます。今後はリアル店ならではの商品提案や、ご協力頂けているブランドとの協業で、よりお客様に喜んでいただける店舗運営を行っていきたいと思います。」と笑顔で話す檀上代表。

Danjo新宿店で先行発売されたA.D.M.J.の新作

ブランドショップが立ち並ぶバッグフロアの中に、「バッグ専門店が入店する」日が来るとは少し前までは考えられませんでした。商品を独自のセレクトで“面”で見せた売場は、大変新鮮に映ります。

今まで百貨店では提供できなかった、新しい購買体験が生まれることを期待したいと思います。

◆Danjo  小田急百貨店新宿店3Fフロア

<本社> 広島県尾道市土堂1-6-8

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(初出:「フットウエアプレス」3月号より大幅リライト)