【まとめ】2022年のバッグ革小物業界まわりを振り返る

こんにちは、編集長の川崎です。

今年1年も、@Randum by B.A.G.Numberをご愛顧いただき、ありがとうございました。コロナ下の三年目、2022年もあっという間という方も多かったのでは。

わたくし個人的な2022トピックスは、やはりB.A.G.Numberの二人がツインMCでスタートした「ジャパンレザーVOICE」だったと実感します。多くのサポートいただいた皆さまに支えられ、つたない喋りながらも2022年の7回を駆け抜けることができました。

いやー、こんなにたくさん動画もアップできました。ぜひチャンネル登録お願い致します!

なかなかリアルでのセミナーができない中で、川崎&鈴木コンビの掛け合いを見ていただける貴重な機会だったと思います。

さてこの1年のラストは、バッグ革小物業界まわりをこの1年見渡して、編集長の独断と偏見なベスト5を上げてみたいと思います。

【1位】SDGsにつながるブランド、プロジェクトが続々登場

ここ数年の流れではありますが、今年は特にSDGsに関連するプロジェクトが数多く立ち上がりました。素材では、例えば富田興業の「レッザボタニカ」や「レッザレジリエンス」などのサステナブルレザーを使った、シューズやバッグのラインナップがマーケットに本格的に登場。3月にはSDGsをテーマにした東京デリカの新業態「サックスバー・モノアイ」が大阪のイオンモール四条畷内にオープン。
また豊岡鞄では、捨てられていた「漁網」をアップサイクルしたナイロン素材を使ったシリーズを展開して話題になりました。
ユニークな試みでは、FUMIKODAがユーザーが使った自社のバッグを一度回収・修理し、女子学生の就活バッグとして寄付するという「リユースプロジェクト」も。今年は“おさがりバッグ”8点を、就活中の学生へと譲渡。バッグを寄贈した方と、バッグを譲り受けた学生達の双方へインタビューを実施し、ホームページ上でも紹介しています。

単発的ではなく、継続してできるプロジェクトが生まれていることが注目に値すると思いました。2023年は更にこの動きが加速しそうです。とはいえ「レザー」そのものが、副産物の皮をなめしてアップサイクルした素材なので、SDGsの核心をついていることを忘れてはいけないと思います。

【2位】スマホポシェット、スマホショルダー系の再燃

スマホ周りのアイテムはここ数年続いてて、そろそろいいかと思っていましたが、今年は再びブレイク! あと若い世代のスマホストラップが一気にブレイクしたり、TVドラマに登場したりと、コーディネイトのひとつとして認知が高まりました。もう手離せない人も多いみたいですね。かくいう私ももうスマホショルダーは五代目くらいです。
来年はこの流れもそろそろ落ち着くのでしょうか。でも個人的にはもう便利過ぎてて、持たない生活は考えられませんです、ハイ。

【3位】トラベル系が回復基調へ

国の旅行支援が今年の秋からスタートし、トラベル関連が一気に復活しました。ただでさえ店頭ではスーツケースの在庫を薄くしていたので、急にケースが品不足に陥っててんやわんやのところも。海外旅行に行かれた方ももちろん増えましたが、ホテルなどが安くなることもあってメインは国内旅行の1、2泊など。そこでボストンバッグ大ぶりトート、動きやすいリュックなどが支持されました。小型のケースよりも機動力があって、身軽な点が受けた模様。おしゃれなデザインのボストンなどは新鮮でした。

【4位】推し活、ペット系など、“好き”や癒しにつながるアイテムが人気に

コロナを経て、心の支えになるような自分の「好き」や「癒し」を求める時代。ペットを飼い始めたという方も増えたここ数年。そんな中で注目されたのがwajiの「aoneco」プロジェクト。去年のクラウドファンディングを経て、今年は店頭で大ブレイク。購入したバッグや革小物の売上の一部を、自分が気になるいくつかの保護猫カフェへと寄付できます。デザインだけでなく透明性のある寄付の仕組みが話題を呼びました。動物系はトレンドを越えたパワーがありますね。
またアトリエフォルマーレのエコバッグブランド「ボールアンドチェーン」は今年スマッシュヒット。カラフルでポップなグラフィック刺繍が可愛らしく、ネコや動物柄は品不足になるほど。著名なアーティストとのコラボシリーズも多く、ファンの方々には垂涎のアイテム。“好き”を追求したパワフルなデザインが、閉塞したムードを打破してくれたようです。

【5位】東日本バッグ工業組合のデジタルブランディングプロジェクトがスタート

OEM生産が中心で、あくまでも業界の“黒子”的な存在であった「東日本バッグ工業組合」の138のメーカーが、本格的なデジタルブランディングプロジェクトに着手しました。今までこの組合でデジタルといえば、有志メーカーが集ったKAWANOWAというECサイトがありましたが、トータルで工業組合を「デジタル化」で発信するのは異例のプロジェクト。
ブランディングやコピーライティングのプロ集団も加わって、ひとつのキーワードにまとめづらかったものづくりの強みを、「BAG MAKERS TOKYO」というリアルな一言にまとめ上げています。私も聞いた時は、目からウロコの発想でした。ここからスタートして、HPのリニューアル、1月末の展覧会、そして展覧会のオンラインミュージアム化とプロジェクトが計画されています。
これから「今治タオル」や「豊岡鞄」のような地域ブランドを目指したいとのこと、来月の展覧会を楽しみ待ちたいですね。

以上、「2022年を編集長が勝手に振り返る」コーナーでした。少々宣伝も含めましたが、すべてにおいてポジティブなパワーが宿っていることが、結果的に売上につながったり、評価が高まったりしているなーと感じます。

さて来年はどんな1年にしたいですか?
私はいまのものづくりの方々の支援に力を入れつつ、もっとリアルな場での研修をやりたいと今年のリアルワークショップで実感しました。やっぱり、人が・組織が元気になること、淀んでた目の色がキラっと変わる瞬間が、好きなんだなぁと思います。

なんとなく元気ないなーと思っている方々は、ぜひ川崎のセミナーを受けてみてくださいね(笑)←大宣伝

では、今年もお世話になりました。皆さま良いお年をお迎えくださいませ!