【編集長レポート】2021年を振り返る、バッグランキング<ベスト5>

こんにちは。編集長の川崎です。

コロナ禍で2年目を迎えた2021年。前半は長引く緊急事態宣言下で各社もがきながらも、後半は感染状況が落ち着いてから徐々に前向きなニュースもちらほら。
FWP誌で各社に依頼した新年アンケートでは、来年は「新規出店」「新業態開発」を実施したいという企業が目立っていたのも印象的でした。

モノづくり面でも、マーケット&トレンド的な開発というスタンスだけでなく、「自分が欲しいから作る、そして共感を得る」という動きが増えたことも、コロナがきっかけでもたらされたひとつの現状打破でした。

さて、2021年の恒例バッグランキングですが、同じ品番がたくさん売れたというよりも、注目カテゴリーの中でのバリエーションが増えたというのが流れかと思われます。そして共通したのは「ストレス・レス」リラックス、超ライトウエイト、ラッキー(金運など)、そして「推し」にまつわるアイテムなど、新時代の価値観が台頭してきています。

≪2021年バッグランキング ベスト10≫

1.金運財布

先行きが見通せず、不安定な日々が続いた今年は、金運にまつわるラッキーディが一気に浮上。金運がある「一粒万倍日」「天赦日(てんしゃにち)」「寅の日」といった日に、春先はお財布を新調するという人が列をなした店もあった。
他にも「金庫の色」という深緑の財布が年間を通じて人気であったり、今年のラッキーカラーのホワイトが完売という売場も。これら総じて「金運財布」と呼ばれました。特に心理的に「お財布」という存在にあやかりたいという人が増えたよう。

2.スマホポシェット、ミニショルダー

遠方に出かけることが少なかった今年は、近所の買い物やコンビニなどに手軽に行ける“手ぶらアイテム”がヒット。昨年から引き続き、スマホポシェット、ミニショルダー(サコシュ)が店頭では人気に。特に細い手紐をつけた、シンプルなスクエアポシェットが若い世代を中心にヒットした。キャッシュレス傾向とも相まって、スマホとカード収納のみで、手ぶらで出かけられる気軽さが人気に。

3.圧倒的ライトウエイト

今まで以上に“軽さ”を追求したラインアップが続々登場し話題に。エコバッグ代わりとして、大きめサイズをデイリーに使うというニーズもありました。特にチュールやネオプレン、ナイロン、人工皮革といった新感覚の軽い素材が注目。

4.リュック

ショップ店頭では、やはりリアルな売れ筋はリュックというところが多かったです。前半には通勤用のパソコン収納タイプ、更に一回りコンパクトなサイズ感や、薄型、撥水加工などの機能性が〇。おしゃれで機能的、かつ軽いリュックを求めるリピーターがもちらほら。

5.ボストン、ミニキャリー

特に後半の緊急事態が開けて以降、旅行需要が戻ってきたことからボストンバッグが動き出した。キャリーケース移動も多いものの、密を避けたドライブ旅行用や、ひとりで近場に出かける小旅行には、ボストンバッグで気軽に移動したいという方も少なくなかったよう。またおこもり需要でおしゃれなショッピングキャリーの提案も増え、若い世代も買い物にはキャリーを引く姿も見られた。

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以上がランキングベスト5です。実は6位以下もありまして、「抗菌加工レザー」「インテリアグッズ」「コンサバ系スクエアショルダー」「昭和&平成レトロ」「ゴルフアイテム」でした。写真の都合で割愛いたしました。

来年はどんなアイテムが浮上するのでしょうか。1位、2位がすでにバッグではないという点にも時代を感じます。今までの傾向ですと、6位以下のものが上位に食い込んでくる可能性が高いので、後半のアイテムに注目ですね。

それでは編集長川崎のコーナーは今年はこれにて終了です。大変お世話になりました。
良いお年をお迎えくださいませ。

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初出:フットウエアプレス12月号を加筆