【ショップレポート】“カチクラ”エリアに新バッグ店誕生「ETiAM(エティアム)蔵前店」≪後編≫

Etiamで使われる、“ひらめき”のある素材たち

こんにちは。編集長の川崎です。「Etiam蔵前」の前編はこちら

ショップのこだわりについては前編で触れましたが、後編ではバッグにこめた想いを取材したいと思います。

アンティーク什器に並ぶのは、ブランドを持ち慣れてきた大人にふさわしい佇まいのバッグたち。ボディには、自然なシボを生かしたシュリンクレザーや、鮮やかなイタリアンレザーを使用。曲線を描いた美しいシルエットとも相まって、持つ人を格上げしてくれます。

こちら、肉厚なシュリンクレザーを使った鮮やかな色の「コーディアル」シリーズ。太めのショルダーが程よくアクセントになり、ぬくもりのあるぽってりした真鍮金具がデザインポイントになっています。

そして注目すべきは、一見するとキャンバス地のようにも見える「バウンシー」

サイドゴアブーツに使う素材をバッグに

実はこれは、靴のサイドゴアブーツに使われるゴム素材を使用しているバッグなのだとか! 触ってみると実際少し伸びがあります。この素材を使ったバッグは業界でも初めての試みなのだとか。

キャンバスよりもハリとコシがあり、何よりその発色の美しさにデザイナーさんも「これだ!」と直感したといいます。

「このゴム素材は、北陸のメーカーで製造されているもので、ハリ感やツヤもあってエティアムのコンセプトにもぴったりでした。ただ伸縮性があるため、バッグにする時の縫製が大変難しい。
職人さんと何度もトライを重ね、ふっくらと丸みのある美しいシルエットに辿りつきました。」とデザイナーの藤野篤子さん。

やはりこちらにも、ぽってりと印象的な真鍮金具があしらわれているのが特徴です。店名のヒントにもなった「エターナル」をイメージして、メビウスの輪のようなフォルムを意識したそう。

メンズのビジネスラインや、財布、革小物といったアイテムバリエーションも豊富に揃っています。

また、近年は日常生活の中で不可欠となった、スマートフォン用のレザーポシェットもバリエーションを用意。ニューノーマルな暮らしの中では、スマホと財布ひとつで出かけられるミニショルダーが人気です。

「エティアム」の「ET」は永遠を意味する「エターナル」。「TiAM」は「初めて出会った時の目の輝き」を意味するのだとか。オリジナルで織り上げた裏地に使うジャカードは、この「E」をモチーフにしたモノグラム柄。つながっていく様が、永遠性を彷彿させます。

今後も“ものづくりのボーダー”を越えて、エティアムらしい新たなチャレンジを楽しみにしていきたいと思います。

「Etiam 蔵前」

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初出:フットウエアプレス5月号を加筆修正しました