【ショップレポート】“カチクラ”エリアに新バッグ店誕生「ETiAM(エティアム)蔵前店」≪前編≫

ものづくりの街カチクラに直営ショップオープン

こんにちは。編集長の川崎です。

話題のカチクラエリア(台東区)に、話題のショップがオープンしたので取材してきました。

4月16日にグランドオープンしたのは、サックスバーホールディングスが運営する「Etiam(エティアム)蔵前」です。

“東京のブルックリン”とも称される歴史ある街の中で、ダークグレーのシックな外装が溶け込んでいます。

地下鉄蔵前駅から徒歩1分の場所にある店舗は、1、2階合わせて約30坪ほどの広さ。ウッドを基調にした店内は、アンティーク什器でまとめられ、ゆったりした雰囲気です。

朝、コーヒーを買いに立ち寄るリピーターの方もちらほら

1階には本格的なカフェも併設し、ハンドドリップのコーヒーが楽しめます。2階にはソファ席やテラス席も設けられていて、革製品を見ながら贅沢な時間を過ごすこともできます。バッグ専門店としては、とても新しい試みです。

エティアムのコンセプトは「世代や性別を超えて共有したくなるバッグ」。ジェンダーレスなデザインで、素材や縫製など日本製にこだわり、世界で通用する高品質な革製品ブランドを目指しているとのこと。

昨年の2020年にはブランドデビューし、都内の百貨店でのポップアップイベントを経て、路面店でのオープンへとつながっています。

一階の店舗中央には、アンティーク什器に置かれたバッグたちが佇む

時代を越えてアンティークのように愛されるバッグに

店内にはカフェコーナーのほかに、各種ミシンや漉き機、クリッカーなど一通りの機械が揃った本格的な工房が併設されています。現在は2名のバッグ職人が修理やメンテナンスを請け負うほか、今後はオーダーやカスタマイズに応えられるような本格的な稼働を目指しているとのこと。

バッグの後ろには、工房で働く職人さんたちが見える

「蔵前はものづくりの街でありながら、若手職人を育成しつつ、ひとつの“仕事”として認知されるような場が少ないのが現状です。この工房は、外から働く様子が見えるため、職人の仕事ぶりを広く知ってもらう機会になればと思っています。」お話を伺ったのは広報の宮原菜緒さん。

一般的にはバッグ職人と触れ合えることはほとんどないことから、このような小さなきっかけでも職人の仕事を知ってほしいという想いがありました。

店内に置かれた家具や什器、床材や階段に使われている木材などは、イギリスの学校などで使われていたヴィンテージ品。丁寧に磨かれてツヤがあり、よく見ると英語の落書きなどもあってちょっとクスっと笑えます。什器の一部は販売もしているのとのこと。

エティアムも、時代を重ねても愛されてほしいという願いが込められています。

次回はいよいよ、エティアムのバッグへのこだわりを紐解いてみたいと思います。

公式サイト Etiam

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初出:フットウエアプレス5月号を加筆修正しました