【編集長レポート】「ギフトショー」「Extra Preview」合同展速報 #2

こんにちは。編集長の川崎です。

前回から引き続き「ギフトショー春2021」と「エクストラプレビュー」の速報#2のレポートになります。→♯1はこちら

番外編として、バッグとは違うジャンルのアイテムもご紹介させて頂きます。ファッションだけでなく、インテリアやアウトドアといった方面への広がりも目立ってきました。

1.「charm」チャーム

「日々の暮らしに彩りを添える」をテーマに、オリジナルやインポートの生地を使用した印象的なデザインのバッグブランド「charm」。あえて革付属などにせず、軽量感を主軸として、トートからショルダー、クラッチへと形が次々変化するのもユニーク。

一味違ったフランスのジャカードやプリント生地を使い、他にはない存在感もポイント。意外にも和装にもフィットするため、収納性の高いバッグを探している方に喜ばれているとのこと。

2.「arci」waji

バッグや革小物を提案する「waji」。ヘアサロンのスタイリスト達向けのシザーケースブランド「arci」を立ち上げ、人気を博している。今シーズンは袴タイプのレザーエプロンをプロデュースした。

性別や体形に関わらず着用でき、足さばきなど仕事をするうえでの動きやすさと、身に着けたときの美しさを実現している。レザーにも関わらず、丸洗いができる点も好評。

3.「WWW BAG」スパンギャルド

「www」というと「world wide web」を連想しそうだが、これは「World Without Waste」。新潟に工房を持つスパンギャルドが、バッグを製造する際に出てしまう裁断ゴミを出さないような、直線断ちで縫製できる裁断法を考案し、特許も出願中だ。

ナイロンの3wayエコバッグに加え、同じ裁断方法でカラフルなキャンバス素材のシリーズも立ち上げた。ワンポイントにしたクジラやゾウなどの刺繍は、新潟在住のデザイナーと地元の刺繍職人に依頼し、地域発信ブランドとしての役割も担っている。

4.「Sugata」染谷商店

2020年のグッドデザイン賞を受賞した「sutata(すがた)」の二つ折り財布(中央)。収納部が絶妙に重ならないような設計で、革の無駄も出さない裁断方法も支持された。デザイナーは義肢装具士として、医療用装身具の製作に従事していた異色の経歴。すべてのアイテムがシンプルで目立たないようでいて、きちんと意味と理由を備えた佇まいが魅力。

いままではデザイン性が屹立するよう黒にこだわってきたが、今回はグレージュ系カラーも用意。女性も持ちやすい雰囲気になった。またPOPUP用に作成したオリジナルのハンカチーフも提案。こちらもモノトーンがベースだが、九九の「乗算」や「正方形の分割」など、sugataらしい数学的モチーフを取り入れ遊び心を表現。

5.【番外編】「Night Book」ワイエスエム

もともとは業務用照明什器メーカーで、豪華列車の内装や美術展など、“心が動く照明”に関してのプロフェッショナル。4年前からオリジナルの「Y.S.M PRODUCTS」という自社ブランドを立ち上げている。今回は様々な照明の提案があったが、この「Night Book」は、本のような装丁でありながら、革の背表紙を引き出すとやさしい明りが漏れ出す仕組み。不思議な安堵感に包まれる。

埼玉県三郷市に工房があり、周囲の革鞄メーカーにも協力を得て生まれた逸品。仏ルイヴィトン美術館にも並んでいるのだとか。「ライフスタイルを豊かにする照明」をコンセプトに掲げ、“光は笑顔と一緒で万国共通”という想いがものづくりを支えている。照明は天井や壁にあるもの、という常識を覆した発想に気づかされることが多い。

6.【番外編2】「A38grate」

キャンプ界のインフルエンサーと、埼玉県東部地区で活動する経営者達が組み、自分たちの持つ得意ジャンルを活かしてコラボレート。その商品化第一号が、アウトドアでマルチに活躍する「A38grate」なるミニテーブル。バーナー台やランプスタンドなども組み合わせることができ、最近注目を集める“ソロキャンプ”にはぴったり。

フィールドでの携帯性、汎用性に優れており、使い方は利用者の数だけ無限大とのこと。テーブルを拡張したり、脚を長くするなどで、自分のスタイルに応じたアレンジが魅力。ロストル(焚火台などの底に敷くアイテム)部分のパイプ、脚部、ランタンスタンドは、埼玉の精密機械加工メーカーにて製作。カバーは、八潮市のバッグメーカーであるジェイクラフトマン社製。スノコはアシモクラフツ社製。小さなメーカーが集まりコラボすることで生まれた、新しい潮流と言える。

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レポートは以上です。

コロナから一年が経ち、変わるべきと決意した経営者たちの想いが感じられた展示会でした。また引き続きお伝えしてまいります。