静岡市郊外にオープンした「Recipe本店」。国内靴メーカー前田工業のファクトリーに隣接、フスフレーゲも
こんにちは、川崎です。今回は靴のはなし。
残暑厳しき折りに静岡の出張に行って、ステキなシューズショップを取材しました。
ブランド名は「Recipe(レシピ)」。
JR静岡駅から車で5分ほどの郊外にある「前田工業」という老舗の靴メーカーが、自社工場に隣接させた場所に2023年5月にオープンした店です。
国道沿いにある利便性の高い場所ですが、少し奥まっているので静かで落ち着きます。
店舗までのエントランスは、緑の芝生が広がる贅沢な空間。約30坪の広々した店内は、自然光が降り注ぐガラス張りで天井も高く開放的。コーヒーが飲めたらまるでカフェみたいですね。
平日にもかかわらず、県外・市外から車で来店されるお客で混雑していました。
「Recipe」の靴は、アッパーの革、底材、ゴムや紙まで、材料はすべて国産というこだわりよう。
本革靴で国産、一万円前後のプライスを実現させ、現在は靴専門店だけでなく百貨店、セレクトショップ、ライフスタイル系ショップなど、さまざまな業種業態で販売されている人気ブランド。
バッグ専門店でもコーナーで扱われていたりと、レザーアイテムとは不思議な親和性があります。
「国道に面した交通に便利な場所なので、車で来店される方が多いですね。ショップだけでなく、足や爪のトラブル(巻き爪、陥入爪など)のケアを行う『フスフレーゲ』や、足の測定を行うカウンセリングコーナー、アウトレットショップなど、本店にしかないサービスが充実しています。
また、Recipeと同じ革を使ったバッグや革小物ブランド『レシピ・マルシェ』も取り揃えています。靴はどうしても端材が出てしまいがちなので、それらを無駄にしないための小さな革小物も作りました。」と担当の方は笑顔で話してくれました。
・
◆静岡工場で一貫生産される靴
レシピの靴はショップの隣にある静岡工場にて、企画、サンプル、製造、品質管理まで一貫生産されています。
シューズデザインは、「わかりやすさ・履きやすさ・作りやすさ」を重視しており、いたってシンプル。革はオリジナルの“レシピ専用”革を、姫路で生産しているとのこと。
またアッパーは革一枚仕立てで、驚くほど柔らかいのが特徴。外反母趾の方でも縫い目に指が当たらず、優しく足を包み込むデザインになっています。それと同時に、ミシン工程が複雑にならないよう、設計を工夫しているとのこと。
購入者も履きやすい・わかりやすい。
作り手も作りやすい。
「双方良し」が、設計・ブランディングの段階で意識されていることが分ります。
「弊社社長はもともと電気電子部品業界出身で、『どんなに優れたものでも、必要とされるものが必要とされる値段で、量産できないと意味がない』という経験と考えです。
『1万円という価格で、自社の国内工場にて日本の部品で量産できるよう設計するには、さてどうしたらよい?それをどう伝える?』という根本的な発想につながり、生産・デザイン・ブランディングを同時に進めています。
また、どんな年代の方が選んでいただいても、コーディネートにフィットするオールラウンドなデザインという点も人気の秘訣だと思います。」と話していただきました。
私も実は二足ほど持っていますが、本当にどんなコーディネートにも合うシンプルデザインで、足当たりも柔らかく履きやすい!
一枚革のシューズはすぐに革がへたりがちですが、Recipeの革はある程度厚みがあるので、簡単にへたることなく、しっかり足を支えてくれます。
8月には、「東京丸ビル」に直営ショップがリニューアルオープン。百貨店での常設も増え、レシピの靴が多くの方に支持されるようになってきました。
2024年春からはメンズのラインアップも加わり、ブランドもパワーアップするとのこと。これからのレシピが更に楽しみです。
ホームページでも詳しく紹介されているのでぜひご覧になってください。