
石川発、“靴を通してお客様の役に立つ”を提案しつづける店「NOSAKA(のさか)」♯2
こんにちは、川崎です。
石川県の「NOSAKA(のさか)」シューズ、その2です。→その1はこちら
五感で楽しめるシューズショップ
「のさかフラッグシップショップ」は、2021年12月に移転・リニューアルオープンしました。
面積は約150坪もあり、ちょっとした体育館くらいの広さ。直営店のなかでも最大規模の品揃えになっています。
店内には開放感がある吹き抜け構造で、豊富なグリーンもあってゆったりくつろげる雰囲気です。
また手作りスイーツが楽しめるカフェコーナーや、靴職人が端革で製作した雑貨コーナー、地元ブランドのバッグまで置いてあり、訪れた人が楽しめて、靴選びできるような工夫が随所に。
こんな靴店、日本国内で他にあるでしょうか!本当に驚きました。
従来の靴店のイメージを覆す、まさに“五感で楽しめる”シューズショップと言えますね。
足ばかり見るのではなく、その人となりを見る
「のさかでは、お客様ひとりひとりの『人となり』を見るようにと、先代から教えられてきました。『足』ばかり見ていては本質的なことを見逃してしまう、と。
以前先代が、中国の“纏足”を特集した番組を見た際に話していました。
『纏足が悪習というのは簡単だが、こうした足であっても幸せな人は幸せ。足は痛いけれど“こんな靴しか履けないの?”と悲しむお客様もいるので、その気持ちに寄り添うことが大切』と。
なぜ、足が痛くなってもヒール靴を履きたいのか、という想いを理解すること。お客様に“足は大切”と思っていただきつつ、楽しい気分でお出かけできるお手伝いをしたいと、いつも考えています。」
と山口社長は静かに先代のことを語ってくれました。
スタッフの方々を見ていても、皆様とても気配りがあり、笑顔が素晴らしいです。
先代はスタッフの方々の教育を熱心にされていたこと、そしてお互いに信頼関係が育まれていることを改めて実感させていただきました。
自社工房の移設や、移動販売事業までも
また、ここから更に車で10分ほどの場所に建つのは、のさかの靴工場である「NOSAKA Shoe Works」。
以前は東京にあった自社工場を小松に移転しさせたとのことです。二階建ての建物には、職人たちが働く靴工房に加えて、大型倉庫やショールーム、事務所などがありました。
ここでは主に、56種類の木型からオーダーできる「ノサカクラシック」のパンプスを製造。
店内で足型を計測し、棚に並んだガイドシューズでフィッティングし、そこからアッパーデザインやカラーなどをセレクトできるというオリジナルのオーダーシューズです。
左右の足のサイズが違うという方や、外反母趾の方など、足のトラブルに悩む方からは厚い信頼を得ているブランドです。
また近年は、のさかでスマートフォンの「公式アプリ」まで立ち上げられたとか!
歩けば歩くほどポイントがたまってクーポンも取得できたり、販売後のアフターフォローや、修理品のお知らせも通知されるなどとても便利。
お店とお客様とのコミュニケーションにも一役買っています。こういうアイデアはさすが柔軟ですね。
「最近では2トントラックを改装して、靴の移動販売もスタートさせました。公民館などへ出店して足型計測を行いますが、なかなか街に出かけられないという方々から好評を博しています。
『靴を通してお役に立つこと』、これが私たちが先代から引き継いだ変わらない『志』ですね。」
と山口さんは笑顔で話してくださいました。まさかの移動販売まで!店にとどまらず、お客様のところへと伺う姿勢は見習うべきものがあります。
取材が終わった後は、可愛らしいクッキーのお土産までいただきました!
こんな心遣いがきっと、「のさかイズム」なんでしょうね。みなさんの笑顔に見送られて、ショップを後にいたしました。
震災後は金沢や能登などに旅される方も増えてきましたが、少し足を伸ばすと小松にはこんなユニークなショップがありますので、ぜひ足を運んでみてください。
◆のさか https://www.nosaka92.co.jp/
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フットウエアプレスより加筆修正