【レポート】「ジビエ革」展(東京・松ケ谷 と革)

【レポート】「ジビエ革」展(東京・松ケ谷 と革)

農林業への被害軽減のため、有害捕獲された猪、鹿などの野生動物たちの生命の証に感謝し、皮革を利活用する「ジビエ革」。

 

このムーブメント発信し続ける、高見澤篤さん主催の人気イベント「ジビエ革」展が、東京・松ケ谷の「と革」で7月7日~18日に開催されました。

と革 − TOKAWA (to-kawa.com)

 

高見澤さんがオープンしたアトリエ&ショップ「と革」は2023年7月で5周年。今回はその記念イベントとなっています。

「里山の問題に目を向け、捨てられるだけのケモノの皮を ジビエ革と名付け、革製品にして多くの方に知って頂きたいと活動を初めて18年が経ちました」(高見澤さん)

「最初は傷も穴もある革なんて商品として売り物にならないよ。と言われ、見向きもされない時期もありました。 ですが、諦めずに続けてきたコトで、1つの価値感として認知されるようになってきたのかな と思います。 お陰様で素晴らしい作り手とのご縁もあり、今回もこうして開催できることを、とても嬉しく感じています」(高見澤さん)

 

 

ジビエ革を使用した作品を多彩なクリエイターが出品。石黒幹朗さんは、バッグや立体作品など幅広く展開。

 

石黒幹朗(@ishiguromikio) • Instagram写真と動画

 

ベレー帽のようにも見えるかごバッグは、手で揉み続けてシボをだした手揉みシボ皮(鹿)を、紐状に切り出し、編み上げているそう。

 

鹿革で石を包み込んだ作品は、なんと楽器! 石の組合せがひとつひとつ異なり、やさしい音色が響きます。

 

 

ポーラ美術館ミュージアムショップでの常設など、高く評価されている加藤キナさんの作品。圧倒的な緻密さに驚きます。鹿革でかたどった紫陽花はドライフラワーのような色合いが美しい。

 

加藤 キナはInstagramを利用しています:「そろそろ梅雨明けでしょうか? 道すがら いつも眺める紫陽花は すっかりアンティーク色 庭のアナベルも 白から緑色へと変わり 夏に向けて調えている様子 皆んな 頑張っている…」

 

「身のまわりを愛しいものに囲まれて生きていきたい」と願うユーザーの胸に明かりを灯しているかのよう。秀逸なジャパンレザーを普段の暮らしのなかで愛でる喜びは格別ですね。

 

そして、高見澤さんの次なるチャレンジはかなりのビッグプロジェクト。秋に行われるそうです。情報解禁後、当アカウントでもご紹介いたします。ご期待ください。

 

初出

 

ジャパンレザー NEWS【まとめ】<7月第4週> | 欧米ブランドに「負けていないぞ !」 | JLIA 日本皮革産業連合会